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世界一のレストラン「noma」(ノーマ)閉店を発表|Chef Works Japanブログ

世界最高のレストラン「noma」(ノーマ)が閉店を発表。レネ・レゼピ氏が導く閉店後の新しい形「Noma 3.0」とは?

食通や業界の人間に限らず、世間に広く「世界最高のレストラン」として知れ渡っているデンマーク・コペンハーゲンのレストラン「noma」。ミシュラン3つ星の獲得はもちろん、「世界のベストレストラン50」で幾度となく世界一に輝いている、名実ともに世界一のレストランが、2024年の営業を以って閉店する事を発表した。

"To continue being noma, we must change."
ノーマであり続けるために、私達は変化しなければならないのです。
- Chef René Redzepi 

「ノーマであり続けるために、私たちは変化しなければならないのです。」こう語るレネ・レゼピ氏は、過去2年のコロナ禍において、今後のノーマ、そして高級レストラン業界全体がどう変化していくべきか、何より彼のチームメンバーのより幸せな生活の為、何が必要なのか様々な思考を巡らせたという。

ノーマで提供される料理は、革新的な調理方法と完璧な盛り付けがなされている事が有名だが、これを提供する為にラインシェフには過酷な労働条件が課されている事も問題視されていた。インターンのスタッフも重要な戦力として仕事を任される為、無給で働く彼ら(現在はインターンへも給与が支払われている)の環境はより厳しいものとなっていた。ノーマに限らず、多くの高級レストランにおいてもその労働条件が厳しいものである事は知られているが、レゼピ氏はこうした労働環境は改善されるべきだと考え、今回の大きな変化へと踏み切った。

レゼピ氏は、米国・ニューヨークタイムズにノーマの「理想と課題」についてこう語っている。

「理想的なレストランでは、従業員は週 4 日働き、発言する力を与えられ、安全で創造的だと感じることが出来ます」「問題は、子供たちを養い、車や郊外の家を買う余裕があるだけの賃金をどうやって彼らに払うかということです。」- 引用元 The New York Times 

世界中の人々を感動させてきたノーマのクリエイティビティを発展させながらも、同時にこれらの課題をクリアしてゆく事、それは "現在の店舗業態では不可能" と判断を下し、今回発表された新業態への変革が行われる事となった。

食の革新と、新しい味を生み出す巨大ラボ
「noma 3.0」

 2024年冬のシーズンを最後に店舗営業を終了し、2025年からは「Noma 3.0」が始動する。ここは食品の新しい可能性を追求するラボ(研究室)でもあり、人々を魅了する新しいフレーバー(味)を生み出すテストキッチンでもあるという。ノーマの閉店と新業態の発表があまりにも突然だった為、この変革自体が突然の判断の様に思われるかもしれないが、過去2年間多くの思考と着実な計画がなされて来た壮大なプロジェクトだ。

閉店後も今までと同様、世界中を旅しながら様々な食材や食文化と出会い、新しい料理を生み出していくノーマのスタイルは変わらない。常設の店舗こそ無くなるものの、新しいアイデアやフレーバーが十分に集まった段階で、ポップアップという形でノーマのシーズンが開催される事が発表されている。

そしてなにより、チーム全員が食の分野において永続的に画期的な事に挑戦、専念できる基盤を作り出し、レストランチームとして成長出来る様になる事を目標にしているという。

世界一と称されるレストランを閉店するという、とてつもなく大きな決断と変化をも厭わないレゼピ氏とそのチームの判断力こそ、常にノーマが革新的な存在として輝き続けられている理由ではないだろうか。世界一のレストラン、ノーマの進化にこれからも目が離せない。

ここで次のノーマのポップアップ情報を補足しておく。衝撃的な閉店のニュースが世界中で話題となっているノーマだが、次のポップアップは今年、2023年春、日本の京都で行われる。予約は既に全て埋まってしまっているが、ウェイティングリストに名前を残す事でキャンセル枠を獲得できる可能性がある。予約など、ポップアップに関する詳しい情報は以前の記事「2023年春・京都に「noma Kyoto」が期間限定でオープン!世界一のレストラン「noma(ノーマ)」と桜咲く京都との魅惑のコラボレーション。」を参照して欲しい。

 

 

店舗名:「noma」(ノーマ) 
公式HP:https://noma.dk/
インスタグラム:https://www.instagram.com/nomacph/?hl=en 

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